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アジア 10年前

豪州で戦う2人の侍。“日の出づる国”マケドニアにルーツを持つクラブで出会った選手とコーチ。ほとばしるような情熱を共有

text by 植松久隆 photo by Yasuhiro Koga

「真っ直ぐな気持ちでサッカーに向き合いたいと思わされる」

 さらに、2人の仲をそれぞれに尋ねたときの答えが興味深い。

豪州で戦う2人の侍。“日の出づる国”マケドニアにルーツを持つクラブで出会った選手とコーチ。ほとばしるような情熱を共有
クラブのトロフィー・ルームでの村山(右)、古賀(左)【写真提供:古賀康彦】

「とにかく、何でも話せる仲。彼(古賀)は自分のハンデのことで選手として出来ない悔しい思いをずっと持っている。コーチとして上を目指すときに、実際の選手の感覚や思いが、彼にとっては一番知りたいことだというのも伝わってきます。

 何気ない会話の中でも、そのようなトピックには喰いついてきますから、僕も選手として経験していることは、きちんと伝えるようにしています。そうすることで僕自身、自分の中で整理できることも多い」と村山。

 一方の古賀は、「(自分は)プレー経験がないので選手の気持ちにシンクロできない部分があると思います。そのあたりは、彼(村山)に負うところが多いですね。選手目線での監督からの指示や声かけ、身体感覚、プレーの内容など色々教えてもらっています。

 また、彼自身の人間性がしっかりしているので、一緒に行動していて、私自身も真っ直ぐな気持ちでサッカーに向き合いたいと思わされるんです」と語る。

 今回の取材は、お互いのことを突っ込んで聞くこともあって個別に話を聞いたのだが、どうであろう。表現の違いは有れど2人の関係性を語る内容は見事に一致している。これらの発言のシミラリティ(相似性)にこそ、5ヵ月という短期間で築かれた2人の信頼関係の強さが見て取れる。

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