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アジア 10年前

豪州で戦う2人の侍。“日の出づる国”マケドニアにルーツを持つクラブで出会った選手とコーチ。ほとばしるような情熱を共有

text by 植松久隆 photo by Yasuhiro Koga

「素直にリスペクト」「彼のような選手こそ『プロフェッショナル』」

豪州で戦う2人の侍。“日の出づる国”マケドニアにルーツを持つクラブで出会った選手とコーチ。ほとばしるような情熱を共有
村山拓也(右)の試合を欠かさず観戦する古賀康彦。試合終了直後の1枚【写真提供:古賀康彦】

 欧州での経験からサッカー界の共通語である英語の素養の必要性を痛感していた古賀が、本人曰く「リベンジを果たす」地として選んだのが、豪州の地だった。

「(サッカー界全般が)どうしても欧州に目が向いてしまう傾向があるのも事実です。僕も感情だけで考えると、今すぐにでも(欧州に)戻りたい気持ちはある。でも、それでは余りにも世の中の流れにとらわれ過ぎていやしないか、と思ったんです。

 先入観に囚われず、自分の頭で考えて、指導者としてチャレンジしたいと思ったのが豪州なんです」と語る古賀の表情には、豪州行きを決めたことへの後悔は微塵も感じられない。

 そんな二人に、お互いを語ってもらった。

「素直にリスペクトしています。(古賀は)何でもできることに真摯に取り組んでいるし、言葉や文化の問題にもすぐに適応して、前向きに努力していますからね。

 時間の許す限りトップチームの練習を見学にくる姿勢とか、簡単なことですけど、なかなか出来ることじゃない。そういう積み重ねで、(5ヵ月という短期間で)立派なクラブの一員としての立場を確立していますよ」というのが、村山の古賀評。

「今まで、彼(村山)ほど言葉に力があり、自分自身を律することのできる選手に出会ったことがありません。自己管理の徹底ぶりなど、本当に勉強熱心。

 力強い発言に説得力があるのも、そうした彼の行動やパーソナリティに裏打ちされているからなんです。彼のような選手こそ『プロフェッショナル』と呼べる選手」と、こちらは2歳年長の古賀の村山評。

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