オフサイドも知らないような客を大量に呼び込む必要性
他局のキャスティングにおいても、ほぼ同じことが言える。
日テレにとっては、NEWSの手越祐也を使うことがどうしても必要だったわけだし、TBSは、関ジャニ∞の村上信五を起用する使命を帯びていた。
テレ朝はテレ朝で、例によって香取慎吾を出演させずにおれなかった。
おそらく、この流れは、もはや変えられないのだと思う。だから、私は苦情を言うのをやめて、別の可能性を模索することにする。
思うに、サッカーの放送にアイドルや芸人がキャスティングされるのは、アイドルや芸人のせいではない。
局の責任でもない。
主たる原因は、サッカーの側にある。つまり、サッカーが単独で客を呼べないコンテンツになり下がってしまったから、こういうナメた扱いが常態化しているということだ。
テレビ局のスタッフに、純粋にサッカー的な番組を作るセンスや力量が無いというわけではない。
たぶん、やればできると思う。
でも、彼らはできるはずのことをやろうとしない。なぜか? 理由は簡単、数字が獲れないからだ。日本中のサッカーファンを狂喜させて、テレビの前に座らせたとしても、視聴率は10%にとどかない。
30%を超える数字を獲るためには、オフサイドも知らないような客を大量に呼び込んで来なければならない。
なるほど。だから、その30%を獲るべく、彼らは、アイドルや芸人を起用しているというわけなのか? おそらく、それも違う。
民放のデイリーハイライト番組についていうなら、「どうせ数字なんかとれっこない」というあきらめが、この堕落したキャスティングの理由になっている。「せめてアイドルのプロモに利用しよう」「サッカー好きの芸人さんを慰安するネタとして活用しよう」
というわけだ。
改善するためには? まあ、現状の民放がツブれるのを待つ方が話がはやいと思います。
廃墟の中からサッカー専門局が立ち上がるのを期待しましょう。
【了】