W杯を戦うためのヒントが育成年代に散りばめられる
彼らは異能との戦いを日常のものとしている。そしてそれは今回ドイツ代表が、ヨーロッパ勢では初となる南米大陸という特異な環境で王者と成り得たこととも無縁ではないだろう。
「移民」は「歴史」の中でサッカーと出会い、「改革」がもたらした環境の中で生粋のドイツ人たちとともに育まれる。こうした特異な環境が、ドイツ代表がブラジルの地でW杯の頂点へと辿り着いた要因となっているとも言えるだろう。
W杯とは、自分たちの持つ価値観が通用しない相手との戦いでもある。ドイツでは、W杯を戦うためのヒントが、育成年代の競争環境の中に既に散りばめられているのである。
ちなみにアフガニスタン人の青年は、ブレーメン下部組織時代の大きな怪我がもとでサッカーを辞めた。サッカー選手としての将来が見えてしまったのだそうだ。今一番好きなチームはブレーメン? と聞いてみると、次のような答えが返ってきた。
「FCバルセロナ、だね」
青年は笑っていた。
【了】
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