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【欧州最先端の戦術分析】ザックジャパン、3つの敗因。日本らしいサッカーを進化させるために必要なこととは?

日本には何が足りなかったのだろうか。スペインでの指導経験が豊富で、『サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である』の著者である坪井健太郎氏が、グループリーグで姿を消した日本代表の敗因と課題を分析した

text by 小澤一郎 photo by Getty Images

【敗因1】クラブで出場機会が少ない選手の精神的コンディション不良

【分析:坪井健太郎、構成:小澤一郎】

 南アフリカ大会とは異なり、今回のブラジル大会の日本代表は自分たちがボールを保持して戦うというアクションサッカーを披露しようとしました。今大会も顕著になっていますが、今のサッカー界で結果を出しているのは、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリーなど「守ってカウンター」というスタイルのチームです。一方、結果を出すことに苦しんでいるサッカーがバルセロナ、スペイン代表、また日本代表のようにボールを保持するスタイルです。

 カウンターの局面というのは相手の守備組織が整っておらず、スペースがあり、チャンスも生まれやすいのでサッカーの難易度で言えば、ボールを保持するよりも明らかに低くなります。このW杯では難易度の低いサッカーが結果を出していますが、私は勝率やサッカーの安定性を高めることができる、ボールを保持しようとするサッカーが、日本の進むべき道だと考えます。

【敗因1】クラブで出場機会が少ない選手の精神的コンディション不良

【欧州最先端の戦術分析】ザックジャパン、3つの敗因。日本らしいサッカーを進化させるために必要なこととは?
香川真司は、テストマッチに長い時間出場することで身体のコンディションを上げていったが…【写真:Getty Images】

 では、日本の敗因分析に入っていきたいと思いますが、まず目についたのが主力である香川、本田のパフォーマンスです。彼らのパフォーマンスは、大会3試合を通してベストではありませんでした。

その原因としては、所属クラブで試合に出ていなかったことが大きく関係しています。全く試合に出ていなかったわけではないのと、直前のテストマッチでフル出場を重ねたので、フィジカル的には少し上がってきてはいましたが、やはり精神的コンディションが良くありませんでした。

 精神的コンディションとは、言い換えると「自信」です。例えば、テストマッチでの香川のプレーを見ると、ボールをもらいに行く動きが多かったですが、あれは所属クラブで出場機会に恵まれず自信を失っていることの表れです。

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