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「自分たちのサッカー」とは何だったのか? ジーコ時代との相似点と日本代表を巡る8年周期の問題点

text by 宇都宮徹壱 photo by Getty Images

ジーコの「自由と自主性」

「自分たちのサッカー」とは何だったのか? ジーコ時代との相似点と日本代表を巡る8年周期の問題点
2006年ドイツW杯で日本代表を率いたジーコ[右]と当時の日本代表キャプテン宮本恒靖[左]【写真:Getty Images】

 本大会が始まる直前だったか、ネット上で「ザックは(優秀なジーコ)ではないか」という書き込みを見つけて、微苦笑してしまった記憶がある。その表現、どちらに対しても失礼だろうと思いつつも、なるほど確かにふたりの間には奇妙な共通項も少なくない。

 もともとはまったく異なるキャリアを歩んできた両監督である。ジーコはブラジルのスーパースターとして、現役時代はフラメンゴでトヨタカップをはじめ数々のタイトルを獲得。またブラジル代表として、過去3大会(78、82、86年)に出場して、数々の名勝負を繰り広げている。来日してからの日本サッカーへの貢献については、今さら多くを語る必要はないだろう。

 一方のザッケローニは、現役時代はこれといって目にとまるような実績は無い。30歳でセリエC2のクラブを振り出しにプロの監督としてのキャリアをスタートさせ、ウディネーゼをUEFAカップに出場させてから脚光を浴びるようになり、その後はミラン、インテル、ユベントスといったイタリア国内のビッグクラブを指揮するようになる。

 ジーコものちに、フェネルバフチェやオリンピアコスでチャンピオンズリーグを経験することになるが、少なくとも日本代表監督となる以前は、指導者としての実績は皆無であった。

 元名選手だが、監督経験がなかったブラジル人のジーコ。監督としての実績は豊富だが、選手としては早々に挫折しているイタリア人のザッケローニ。キャリアもバックグラウンドも正反対の両者だが、日本代表の監督になってからの4年間を観察する限り、非常に共通項が多いことに気付かされる。

 たとえばチーム作り。スタメン固定、海外組の重用、攻撃サッカー志向、チームキャプテンとの対話重視、チーム内でのヒエラルキー容認、などなど。

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