78.3回の攻撃で1点。“ブラック企業”並の労働生産性の低さ
では、各チームの精度はどうなのだろうか? 1試合平均得点数と併せて1点を取るために何回の攻撃を擁するかを算出した“決定力ランキング”を作成した。以下は、そのトップ5。
1試合平均得点
1位 ドイツ 2.6点
2位 コロンビア 2.4点
3位 オランダ 2.1点
4位 フランス 2点
5位 クロアチア 2点
決定力(攻撃回数÷平均得点)
1位 コロンビア 13回
2位 ドイツ 17.2回
3位 オランダ 18.3回
4位 アルジェリア 19.6回
5位 クロアチア 20.5回
注目すべきはコロンビア。攻撃回数では31.2回で25位と下位にしずんだものの、平均得点数では2.4点で2位。およそ13回の攻撃で1点を奪っており、決定力では1位にランクインした。これこそ“決定力が高いチーム”と言えるだろう。
2位のドイツは17.2回に1点を奪っている。当然、ブラジル戦の7点が効いているが、攻撃の精度の高さはさすがだ。
一方の日本は、47回の攻撃で0.6点しか奪えておらず、1点を奪うためには78.3回もの攻撃を仕掛けなくてはならない。ランキングでも32チーム中29位に沈んでおり、これでは『3点取られたら4点取れば良い』など言ってはいられない状況だ。
もちろん、クロアチアのように1試合で4得点をあげながらグループステージで敗退するチームは必然的に平均得点が上がってしまうが、好成績を収めたチームや印象に残る活躍を見せたチームは決定力でも上位に位置している。
逆に、アルゼンチンのように決定力が低くても結果を残すためには守備が強くなければならない。
一般社会では様々な分野で生産性が求められる時代だ。日本は、1試合平均2失点を喫しているため、得失点差でプラスにするためには234.9回も攻撃をしなくてはならない。まさに“ブラック企業”並の労働生産性の低さだ。こういった点でも日本社会を代表してしまった。
日本代表次期監督にはハビエル・アギーレ氏の就任が濃厚とされているが、いずれにしても次の監督には「自分たちのサッカー」を追い求めるのではなく、「失点を減らし、最も効率よく得点を奪える方法」を確立して欲しい。
内容重視ではなく、結果至上主義でいい。そして、それこそが日本サッカーに最も適した戦術となるだろう。
【了】
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