ギリシャ戦。決めきれなかったのは技術と精神面の問題
立ち上がりは、積極的に攻める姿勢を見せた。しかも、前半のうちに相手選手が退場するというまたとない状況となった。
ここで、深い位置で守備ブロックを作るギリシャ選手をサイドへおびき出し、ドリブル突破やワンツーパスで崩してマイナスのクロスを入れることができれば、あるいは精度の高いミドルシュートを放つことができれば、点を取ることは十分に可能だった。
先に失点すれば、ギリシャは守ってばかりはいられなくなる。ギリシャが前がかりになれば、岡崎や柿谷を走らせて背後のスペースへボールを送り込み、決定機を作り出すことを狙えた。そして、追加点をあげて得失点差で有利な状況を作り出せていた可能性があった。
相手が数的不利にある場合、通常は中央を固めてくるから、サイド攻撃がカギとなる。内田と長友の両サイドバックはそのことがよくわかっており、様々な種類のクロスを入れてチャンスを作り出していた。しかし、せっかくの決定機を大久保、大迫らが決め切れなかったのが痛かった。決めるべきところで決められないのは、技術の問題であると同時に精神面の問題でもある。
終盤に吉田をトップへ上げてパワープレーを行なったのは、監督の判断だ。ただ、吉田一人でギリシャの長身DF数人に競り勝つのは容易ではなかった。
テクニックでは、日本の方がギリシャより数段上。また、ギリシャがあまり空中戦を挑んでこなかったこともあり、この試合で体格のハンディはそれほど感じなかった。勝てるはずの試合だっただけに、引き分けという結果には初戦以上に悔いが残った。
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