「日本人のサッカーが出来るわけない。W杯は甘いもんじゃない」
中澤佑二とともに岡田武史監督のチームで守備の中心として南アフリカ大会を戦った闘莉王の言葉は、最も率直な意見だった。
さらに、彼は「あぁ」と呆れたような口調で「日本は戦い方が間違っている。追い抜かれるつもりで行くべきな所を、面と向かって戦っていくっていうのが…。そこらへんの実力が、まだ日本には無いと思う」と語った。
――彼らがこだわっていた“自分たちのサッカー”にはどう思いますか?
「そんなの出来るわけ無い。ブラジルやオランダでさえ自分のサッカーが出来ないのに、日本人のサッカーが出来るわけない。それがW杯ですし、甘いもんじゃないんで。合わす所は合わさないと、やっぱり勝てない」
日本サッカーの歴史上で最も才能に溢れ、オランダで成功し、最近ではオーストラリアでも結果を残し、W杯では日本をグループステージ初突破に導いた小野伸二は、日本とコスタリカを比較した(彼は、コスタリカの戦いに大きな感銘を受けたという)。
「最も大きな問題は、強い精神力の欠如だと思う。コスタリカは自分たちに何が出来るかを知っていて、それをピッチ上で実行することが出来る。日本は、自分たちの能力については分かっているかもしれないけど、それを実行することが出来ない。つまり、日本とコスタリカには大きな差があると言うこと」
さらに、小野は「我々は結果を必要としている。時には、やりたいプレーだけでは結果に結びつかないこともある」と、内容を追求するよりも結果を求めることの大切さを語った。
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