日本時間14日午前4時、ブラジルW杯はいよいよ決勝戦を迎える。32カ国によって6月13日から繰り広げられた激戦の末、マラカナンのピッチに立つのはドイツとアルゼンチンの2チーム。
90年イタリア大会の再現となったこの対戦だが、そのイタリア大会では西ドイツがアルゼンチンを1-0で破って優勝トロフィーを掲げた。さらに、アルゼンチンは2006年、2010年と2大会連続でドイツに敗れてW杯を去っている。
86年メキシコ大会決勝も同カードで行われ、ここではアルゼンチンが3-2で西ドイツを破っているが、この勝利以降はW杯3連敗中。今回の決勝でも敗れれば4連敗となるため、アルゼンチンにとっては何としてもプライドを示したいところだろう。
そんなアルゼンチンは、決勝トーナメント3試合で無失点と守備陣の奮闘が際立つ結果を残している。その一方で得点は1点、1点、0点と世界屈指の攻撃陣を擁しながら苦戦を強いられている。
とは言え、アルゼンチンの10番はFWリオネル・メッシ。本人も自身のキャリア最大の大一番へ意欲を見せており、世界中を魅了するようなパフォーマンスを期待したい。
対するドイツは、ブラジルを相手に7得点という歴史の残る圧勝劇を繰り広げたものの、地元メディアが警戒するように、もう一度気を引き締め直さなければならないだろう。
サッカーに限らず、スポーツでは大量得点で勝利した次の試合では苦戦することが多々ある。ブラジル戦とアルゼンチン戦は全く別の試合であることをチームもファンも肝に銘じておく必要がある。
さらに、ドイツはDFラインを高く設定してハイプレスをかけることから、GKとDFラインの間に広大なスペースが生まれる。
ここまではドイツのGKマヌエル・ノイアーの驚異的な守備範囲の広さと抜群の安定感で機能していたが、アルゼンチンにはメッシやFWセルヒオ・アグエロ、FWゴンサロ・イグアインといった俊敏で能力の高い選手が揃っているだけに、これまで以上にノイアーの存在が重要となるだろう。
攻撃陣ではFWトーマス・ミュラーが現在5得点。トップはコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスの6得点。しかし、アシスト数ではハメス・ロドリゲスの2に対してミュラーは3とリードしているだけに、あと1点を決めれば2大会連続のゴールデンブーツを獲得出来る。
世界中が注目するこの一戦、結果がどちらに転がろうと記憶に残るような熱戦を期待したい。
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