大勝ムードに釘を刺すクリンスマン。メッシの存在を警戒
ブラジルW杯の決勝を翌日に控えて、メディアからは高揚が伝わってくる。7月12日付のビルトでは、W杯特集で「さあヨギが防壁を打ち砕く」との見出しを持ってきた。
「アルゼンチンのような固いディフェンスを持つトップチームは存在しない:W杯6試合でたった3失点である!」として、「明日我々はどのように隙へと1ゴールを決めるべきか」という問いを立てている。
準決勝ではブラジル代表を相手に7ゴールを決めた格好だが、決勝のアルゼンチン代表に対しては、その固い守備を理由に、1ゴールを決めることができるかどうかを試合のポイントとして見ているようだ。続いてビルトはアルゼンチン戦に向けて識者の展望を掲載する。
アルゼンチンのディフェンスに対して、ベルティ・フォクツは「我々はCBマルティン・デミチェリスの背後へと素早くプレーすべきである」と言う。ディフェンス陣の中では、決して最も速くはなく、33歳という高齢であることを理由に挙げている。
そしてユルゲン・クリンスマンは警告する。
「日曜日にメッシは王位を抱くだろう。永遠の賛嘆は、世界王者となった者のみが持つことができる。プラティニ、ジーコ、またクライフは残念ながら全く成し遂げることができなかった。メッシは、ペレ、ベッケンバウアー、マラドーナ、そしてマテウスの地位へと辿り着くだろう」
ブラジル戦を終えての大勝ムードに釘を指しているのだろうか。クリンスマンは続いてメッシを、その才能をもって「何をしでかすか分からない」と見ている。
1990年には選手としてW杯の頂点を極め、また2006年には監督として準決勝で苦杯を舐めたクリンスマンからすれば、決勝に辿り着いただけでは、まだ何も成し遂げてはいないということなのだろう。