サッカーライターは設計案なんか眼中にない
佐山一郎(以下、佐山) 2002年日韓共催のときの建設ラッシュからして、サッカー関連のメディアはノーウォッチ状態。時すでに遅しで、観客意思もへったくれもないハコモノが、とくに宮城(編注・宮城スタジアム)と横浜(編注・日産スタジアム)に出来てしまった。次はもう手遅れにしませんよと週刊誌に寄稿した割には、介護や雑誌の休刊続きで、動きがとれなかったというか。
後藤健生(以下、後藤) サッカーライターは、サッカーのことは心配してるけど、設計案のことなんか眼中にない。新国立競技場のコンペに関しては、最初から出来レースで、格好つけたかっただけ。
賞金(2000万円)もあげたんだろうし、ザハ案は白紙撤回したっていい。特にザハの場合は、あとで揉めるのは毎度のことなんだから。あんな大げさなものを造るのは大変で時間もかかります。もっとシンプルで安上がりなものでいいんじゃないのかな。
佐山 8万人規模にこだわるのは、W杯「共催」後遺症ですかね。単独開催の決勝を首都・東京でやれる日本を取り戻したいのかもしれない。ラグビーW杯(RWC2019)のガイドラインは、決勝と準決勝が6万人以上で準々決勝は3万5000人以上。最小の会場が1万5000人プラス照明設備というふうでもう少しサイズが小さい。