日本時間10日午前5時、ブラジルW杯準決勝においてオランダ対アルゼンチンの一戦がキックオフとなる。この試合の勝者は、日本時間14日午前4時の決勝でドイツと対戦する。
オランダは、ベスト4進出チームで唯一、準々決勝で120分+PK戦を戦っており、中3日でのリカバリー具合が気になるところだ。特に、エースで主将のFWロビン・ファン・ペルシーは、今大会初のフル出場がそのコスタリカ戦だっただけに万全のコンディションに戻せるか不安が残る。
さらに痛手なのは、MFナイジェル・デ・ヨングの負傷だ。コスタリカ戦では、MFスナイデルとMFワイナルドゥムがボランチを務めたが、この両者は本来攻撃的な選手。アルゼンチンの強力な2列目、特にFWリオネル・メッシに対して“潰し屋”となれるデ・ヨングの負傷は痛い。
デ・ヨングはチーム練習に復帰したと報じられているが、負傷明けでベストパフォーマンスを見せることは難しい。メッシを相手に中途半端なコンディションでは、負傷を再発・悪化させる可能性もある。
ただ、ここまでのオランダは、選手以上にルイス・ファン・ハール監督の調子が抜群。称賛と批判が紙一重とも言える采配を繰り出しては、見事に的中させているだけに、アルゼンチン対策にも周囲を驚かせるような策を練っている可能性もある。
メッシを封じるためにどのような采配を見せるのか、先発メンバーや立ち上がりの戦術的意図に注目したい。
対するアルゼンチンは、ここまでメッシとともにチームをけん引してきたMFディ・マリアがベルギーとの準々決勝で負傷。決勝に進出すれば出場出来る可能性が高いが、この準決勝には間に合わないとみられている。
同じく負傷中のFWアグエロに関しては、オランダ戦で復帰できる見込みとの報道もある。しかし、こちらも負傷明けの選手に過度な期待は禁物だ。
アグエロは、昨季から試合に出ては負傷を繰り返しているため、無理をすれば早い時間にカードを切らなければいけなくなる。勝負どころでの投入という使い方が現実的か。
オランダは、基本的に相手にボールを持たせてカウンターを狙うチーム。しかし、アルゼンチンにはメッシがいるため、ボールを持たせるのも危険が伴う。両者のストロングポイントがどちらの有利に働くかがポイントとなるだろう。
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