歓喜に酔いしれたドイツ。4度目の頂点は手の届くところに
フェルナンジーニョとグスタボを抑えられたブラジル代表は、置かれた状況を変えることができない。フッキを起点として、マルセロがオーバーラップを試みるが、ミュラーが戻りながら対応し、またラームが1対1で強さを発揮した。
20分近くには、しびれを切らしたのかオスカルもボランチの位置まで下がってボールを受けようとする。しかし23分、ゴールを割ったのはドイツ代表だった。クローゼが突き刺す。2-0。
もはやブラジル代表に悪循環を止める術はなかった。ブラジル代表から現実を打開するための思考の時間を奪うように、ドイツ代表は手数を掛けずに相手のゴールへと迫る。
急遽今大会初先発したダンテを陥れる狙いもあったのだろう。24分クロース、26分クロース、29分ケディラと、ドイツ代表は瞬く間に点を重ねていって、前半終了の笛が鳴った。5-0。
後半に入るとブラジル代表はフッキに代えてラミレスを投入して、前線に起点を作ろうとしながら反撃を試みるが、ここでもノイアーが鉄壁の守備を見せる。
ブラジル代表にとっては残酷で絶望的なスコアの中で余裕の出てきたドイツ代表は、パス・スタイルを示しながら、69分、79分と、途中から投入されたシュールレがさらに点を重ねていく。
終盤にオスカルが1点を返したが、時は遅かった。7-1という圧巻のスコアの中で終わりを告げる笛が鳴り、ドイツ代表は歓喜に酔いしれて、ブラジル代表は崩壊し、落涙した。
ドイツ代表は、あまりに強かった。戦術が上手くハマったこともあったが、チームとしていよいよ成熟の時を迎えつつある。
かといってサッカーでは勝利に対する100%の保証を得ることは永遠にできないが、4度目の頂点は手の届くところまで来ている。
【了】
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