積極的すぎたダビド・ルイス。DFラインのバランス崩れる
対するブラジルは、試合前から懸念されたDFチアゴ・シウバとFWネイマールの穴を埋めることが出来なかった。
チアゴ・シウバとセンターバックのコンビを組むDFダビド・ルイスは、良くも悪くも積極的なDFだ。ポジションで留まってDFラインを維持することはせず、相手に対してプレスをかけ、ボールを持てば攻め上がる。
もちろん、この姿勢は攻撃面においてはプラスとなるが、それはチアゴ・シウバの的確なカバーリングとラインコントロールがあったからこそ。しかし、その主将に代わって先発したDFダンテにその役割を求めるのは酷だった。
それもそのはず、ダンテはこの大一番で今大会初出場。さらに、左CBで先発したダンテにとって、対応すべきドイツの右サイドはDFフィリップ・ラームにFWトーマス・ミュラー。バイエルンでのチームメイトであり、ドイツのストロングポイントでもあるこのコンビに対峙するだけでも手一杯だった。
だからこそ、ダビド・ルイスはゲームキャプテンとして守備のバランスを取る必要があった。しかし、キャプテンマークを付けた責任感からか、彼はこれまで以上に積極的な姿勢を貫いた。
ヒートマップを見ると、ダンテのサイドが濃く色付けされている一方でダビド・ルイスのサイドはがら空き。そしてドイツのゴール位置を見ると、その多くがダビド・ルイスのサイドからだった。
ドイツは「右サイドで引き付けて、左サイドから仕留める」という形を実行。ダビド・ルイスの積極性は空回りしてドイツの策にはまり、完全に裏目に出た結果となった。