守備重視か攻撃重視か。読めないドイツ戦の布陣
早くもネイマール不在のチームは堅い団結力を見せ始めている。コロンビア戦の翌日にはマルセロの祖父が逝去。指揮官はマルセロがキャンプ地から一時離れて、葬儀に出席することを許可したがマルセロはあえて、チームに残留。戦力的にはダウンしても、メンタル的には最高に充実した11人をミネイロンスタジアムのピッチに見られるはずだ。
ただ、相手は攻守においてブラジルを上回りうる陣容のドイツである。チアゴ・シウバとネイマールを欠く大一番で、スコラーリ監督は試行錯誤をこらしてきた。
「もう私の中ではチームは決まっている。ただここでは明かさない」
前日会見で報道陣を煙に巻いた指揮官だが、8日にキャンプ地で行われたフォーメーション練習では2パターンが実施(別図参照)。出場停止から復帰するルイス・グスタボを含めた3ボランチや、ネイマールの代役として期待がかかるウィリアンを起用する4-2-3-1などの機能性を確認した。
唯一確実なのがチアゴ・シウバの代役はダンテが務めることだ。
ドイツの攻撃力を警戒するならば、中盤に安定感をもたらす3ボランチが、従来同様に攻撃的なスタイルを貫くならばウィリアンとオスカルの「チェルシーコンビ」に期待を託す4-2-3-1がスコラーリ監督の頭にあるはずだ。
W杯本大会途中にエース・ペレを欠いたブラジルはかつて、二度に渡って対照的な成績を残している。救世主アマリウドが現れた1962年には2度目の世界王者になったものの、1966年はその穴を埋めきれず、決勝トーナメント進出を逃している。
攻守の軸を欠くカナリア軍団を待つ運命は果たして――。
【了】
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