「コートジボワール代表をいつの日か率いてみたい」
――グループCの結果を、開幕前にミスターはどう予想されていたのでしょうか?
アンチェロッティ「コロンビアとコートジボワール。この両者が勝ち抜けると私も予想していた。というより、それは確信に近かったとさえ言えるだろう。
コロンビアは、まさに今大会での戦績が示す通り、その実力はグループCの中で頭ひとつ抜け出ているのみならず、世界的にみても間違いなくトップ10に入ると言って差し支えない。
ベスト8に進んだ場合、そこで当たるのはブラジルとなる。最後は自力でブラジルが勝るのであろうが、それでも彼らコロンビアの選手達はW杯8強の名に恥じない試合を見せてくれるだろう(編注:実際にコロンビアはベスト8に進出し、ブラジルに2-1と惜敗した)。
かりにファルカオの故障がなければどうなっていたか……。今大会に留まらず、これから先もまた彼らは世界のサッカーシーンで重要な役を担っていくに違いない。とはいえ、直ぐに世界の頂点にまで達し得るかどうかはまた別の話になるのだろうが。
一方、コートジボワールについては、その総合力を高く評価していたのはもちろん事実なんだが、むしろ彼らに対して私が抱いていた思いは、正直に言ってしまえば、一ファンのそれに近いものだったと言うべきだろう。私はコートジボワールを応援していた。
もっとも、何も今大会に限ったことではなくて、もう随分と前から私がこの代表に強く惹かれていたからなんだよ。個人的にドログバと間近で接する機会を得たというのもその理由のひとつではあるんだが、とにかく『この代表をいつの日か率いてみたい』と、そう私は折に触れて述べてもいる。
そして、実際にこの両者の対戦を眼にして例の予想はまさに確信に変わっていた。やはりコロンビアとコートジボワールが上に行くべきであると。だが、後者は最後にギリシャ戦を落として敗退。残念だが、ここはやはりギリシャの健闘を称えなければならない」