『徹底したリアリストのドイツと、パワーに欠けたフランス』
『物語は幕を閉じた』
フランスの敗退が決まった瞬間、レキップを初めとする速報系のネットメディアに一斉に載った見出しがこれだった。ジ・エンド、である。
一夜明けて、翌朝の各フランスメディアの見出しは
『レ・ブルーは人々のハートをつかんだ』(セントル・オレス紙)
『夢は砕けた』(ラ・デペシュ紙)
『アデュー(さらば) リオ』(リベラシオン紙)
『ドイツが、フランスの希望を断った』と掲げたフィガロ紙の、うつむいたベンゼマの姿はあまりに哀愁がある。
『それでも、メルシー!』という微妙なタイトルのパリジャン紙は『徹底したリアリストのドイツと、パワーに欠けたフランス』と、この対戦を総括。課題はあるが良くやったという評価だろう。
レキップ紙は、『敗退…ただし書き付きで』と一面に掲げた。その“ただし書き”にあてはまるのはさまざまだ。
「あらゆる部分で相手に劣っていた」「若さ、体力消耗、経験不足、正確さを欠いたプレー」「チームプレーが十分でなく、シンクロできていなかった」
長年、代表を見続けてきたデュルク番記者の視点は厳しい。唯一、ポジティブな点は、「国民との溝が埋められたこと」。
「この試合では、デシャン監督の采配も振るわず、レミーを入れて4-4-2に変更したことも、ジルーの投入も功を奏せず、負傷退場したサコの穴がひたすら大きかった」とデュルク記者は戦況を振り返っている。
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