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王国を悩ませる“コンフェデの呪い”。不調のセレソン、問われる指揮官の手腕とスタメンの刷新

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

過去の大会では監督が大胆に主力選手に見切りをつけていた

 フレッジやパウリーニョら昨年のコンフェデ制覇を支えた主力の不振は確かに誤算だが、スコラーリ監督の見通しも甘かったと言わざるを得ない。

王国を悩ませる“コンフェデの呪い”。不調のセレソン、問われる指揮官の手腕とスタメンの刷新
3パターンの布陣をテスト

 開幕からチリ戦ではパウリーニョに代えてフェルナンジーニョを起用したものの、フレッジの処遇には未だに道筋を見出せていないスコラーリ監督。コロンビア戦を控えた2日、指揮官はついに理想型の模索に着手し始めた。

 出場停止のキーマン、ルイス・グスタボの代役探しが最優先ではあるものの、守備面での脆さが顕著なダニエウ・アウヴェスの代役にはマイコンが、更にはフレッジを外した変則的な4-3-3など3パターンの布陣をテスト(表参照)。

 コロンビア戦ではハメス・ロドリゲス番にフェルナンジーニョを配置し、攻撃的なボランチとしてパウリーニョを起用する策が最有力だが、スコラーリ監督はもはや従来の理想型にこだわっていない。

 大会が佳境を迎えつつある中で、未だにその理想型を見出せていないかに見えるが、短期決戦で不調の選手に見切りをつけるのは監督の重要な役目の一つ。1994年のアメリカ大会では主将で背番号10のライーが4試合目でマジーニョに定位置を譲り、その後セレソンは優勝。1998年のフランス大会でもジオヴァンニがグループリーグでレオナルドにレギュラーを奪われている。

 スコラーリ監督自身も2002年の日韓大会では準々決勝からジュニーニョ・パウリスタに代えてクレーベルソンを起用。結果的に大会のラッキーボーイ的存在になったクレーベルソンの活躍は5度目の優勝を支えていた。

 ネイマールは「僕はいかなるフォーメーションにも適応出来る。布陣を決めるのは監督で、僕たちはそれに従わなければいけないし、勝利のために全力を尽くさないといけない」と語る。

 コロンビア戦では従来のベースにロドリゲス番のフェルナンジーニョを組み込む可能性が濃厚だが、問われるのは選手たちのパフォーマンスだけでなく、指揮官の手腕でもある。

【了】

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