中盤の陣容は豊富。入る余地は?
これは同年にホセ・ルイス・ペレス・カミネロ氏がスポーツディレクターに就任したことも影響していると言えるだろう。同氏は現役だった頃の2000年に元日本代表の城彰二氏とバジャドリーでチームメートだったこともあり、日本人選手の技術、協調性、そして勤勉性を目の当たりにして高く評価しているようで、香川も同様の点を評価されているようだ。
ただ、やはり香川は別格の評価と言えるだろう。昨季は不遇のシーズンを送ったが、移籍1年目の活躍、さらにはドルトムントでの実績も申し分のないところ。攻撃的センスは欧州トップクラスと言え、それがなければカミネロ氏も補強候補にはリストアップしていないはず。
この日本人MFを戦力として考えてのことだ。昨冬の移籍市場でも香川の獲得の噂が浮上した。このときは1500万ユーロ(約21億円、マルカ紙報道)が焦点となっていたが、結局は同時にリストアップされていたジエゴ(ボルフスブルク=ドイツ)を獲得したため話は流れた。ただ、加入した同選手がコンスタントにプレーしたことを考えると香川も即戦力としての加入が期待されていたことがうかがえる。
昨冬も香川に興味を持っていたアトレティコだが、今夏に獲得に乗り出すかは不透明だ。1月にジエゴが加入したことと、移籍が報じられていたスペイン代表MFコケが6月25日に2019年まで契約を延長したことがその理由だ。中盤にはラウル・ガルシア、アルダなどのタレントもそろっており、入る余地は少ないと言える。
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