フレッジを活かせぬ攻撃陣
昨年のコンフェデレーションズカップで得点王に輝き、不動のセントロアバンテ(CF)の座を確保したフレッジだが、今大会はクロアチアとの開幕戦で勝ち越しのPKをゲットしたのが最大の仕事で、得点はカメルーン戦の1点のみ。4試合でわずか1点という低調な成績は、W杯における過去のブラジル代表FWと比較すると1974年大会以来の成績となる(別表参照)。
大会の開幕前、1970年大会の優勝メンバー、リヴェリーノ氏は守備の選手の質が攻撃陣の質を上回っている初めてのセレソンだ、と看破していた。
「過去のブラジル代表にはいかなる瞬間にも試合を決められるアタッカーが存在した」
そしてフレッジにもこう言及したのだ。「フレッジは根っからの点取り屋だが、ボールが来ないことには彼は一人で得点が出来ない。そこが過去のFWたちとの違いだ」
運動量も少なく、2列目の選手とのコンビネーションも未だに流動的ではないフレッジではあるが、彼はスコラーリ監督が好むエリア内を主戦場とする典型的なストライカー。
4試合を通じて、ボールを供給された回数はチーム内で最小となる62回で、ネイマールやフッキの単独突破任せの攻撃陣にあって、フレッジを上手く活かせていないのも今のブラジルの大きな課題でもある。
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