小さくとも倒れにくい
メッシの当たりの強さに関する分析も、興味深いものがある。メッシのフィジカルコンタクトについて、アスリートの体の使い方を研究し、読売巨人軍の長野久義など一流選手への指導を行う吉澤雅之氏は「独楽」という表現を用いた。
メッシは身体が小さいため、止まったら相手に捕まってしまう。そのため、回り続ける独楽のように、細かく振動することで相手を弾き飛ばす。常に動き、振動することで、相手のパワーと正面からぶつからず、独楽のようにパワーを外へはじき飛ばす。
これは「暴れる魚」にも似ている。魚を抱えようとすると、魚はバタバタと身を動かし、人間がつかもうとするパワーをはじき飛ばそうとする。メッシの当たりの強さにも、そのような側面がある。
こうした側面は、身体の小さな選手全般に言えることかもしれない。パリ・サンジェルマンのエセキエル・ラベッシ、ユベントスのカルロス・テベスらもそうだが、彼らは競り合いの中で相手に当たったままプレーすることはない。
組み合いになったら身体の小さい側が不利なので、彼らは相撲で言うところの、つっぱり相撲に近いようなイメージで、球際では足を止めず、バタバタと動きながら競り合う様子が見受けられる。このような球際の競り合いは、柔道や相撲といった武道の動きに近い。それをメッシらは経験的に身につけているのではないかと考えられる。
【了】
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