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現地記者が見た熱狂のコスタリカ。ベスト8進出に大統領も興奮、メディアは手のひら返しで監督を称賛

text by 池田敏明 photo by Getty Images

大統領も大興奮

 その人ごみの中には、4月に就任したルイス・ギジェルモ・ソリス大統領の姿もあった。ユニフォーム姿の大統領は満面の笑みを浮かべ、「感動の気持ちを隠すことはできない。この国にとって、非常に魅力的で比類ない瞬間だ」とコメント。

「感情を爆発させるのは結構だが、他の人にはくれぐれも危害を加えないように」と、周囲にくぎを刺すのも忘れなかった。大統領選挙で彼が勝利した時も多くの支持者が集い、ともに祝福していたが、その時をはるかに超える人並みだった。

 各メディアも一様にこの偉業をたたえている。その中で目を引いたのは、ホルヘ・ルイス・ピント監督に対する高評価と感謝の気持ちだ。2011年9月の就任以降、ピント監督はコスタリカ国民の希望に反する守備的な戦術と挑戦的な言動で何度も批判を浴び、メディアとも対立してきた。

 それでも己の信念を貫き、守備的でありながらもアグレッシブな姿勢とダイナミズムを失わないスタイルを確立し、ヨーロッパの強豪を次々に撃破して掴んだ準々決勝進出に、メディアや国民も脱帽するしかなかった。

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