「フランス中の人たちが一つにまとまっている!」
しかし、決して感情論だけというわけではない。0-0で終わったエクアドル戦のような試合もあったが、今大会でフランス代表は各対戦でファンを惹きつけるパフォーマンスを見せている。
このナイジェリア戦でも、62分にジルーに代わってグリーズマンが投入されてからフランスのスタイルはがらりと変わり、急速にオフェンスラインが活気づいた。そこからゴールが生まれ、勝利を手にした。
「デシャンは本当に統率力がある。彼は優れたガイドで、それにマジシャンだ!選手に差民術でもかけているんじゃないかな。そんなことができるのは、彼だけだよ」と雄叫びを挙げていたファンがいたが、この大会でデシャン監督は随所で人々を納得させる好采配を披露している。
「なるほど!」と思える試合はツボにはまる。勝利の感動もより大きくなる。そして、尊敬できる監督がいると国民はチームを応援したくなる。
「俺たちは本当に感動している。いま、フランス中の人たちが一つにまとまっている!」と、テレビの前のマイクに向かって叫んでいる人もいた。
こんなに国民が盛り上がっているのは1998年以来だ、という声もあちこちから聞こえだしている。
98年の再現?
ここで優勝を期待するのはまだ早いが、今大会でフランス代表は離れていたファンの心を呼び戻し、国に一体感をもたらした。
心変わりが早い国民性なので、この先の結果如何でどうなるかはわからないが…なんていう無粋なことを言うのはやめて、彼らの熱い期待感を見守ることにしよう。
【了】
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