100%でない相手との親善試合
守備陣にも同様のことが言える。コロンビア戦のカウンターでの3失点目、4失点目は仕方がないとはいえ、安易に飛び込んであっさりとかわされていた。数的同数であったわけなので、相手を遅らせるプレーをしていれば、防げた可能性もあった。
監督の采配による部分もあるが、すべてを監督が手取り足取り指示するわけにはいかない。状況に合わせて、選手たちが“何が最適なプレーか”を選択していく必要がある。
【課題3】親善試合と海外組招集のあり方の再考
親善試合とW杯はまったく異なる。強豪国は100%でなく、親善試合で通用したことがW杯では通用しなかった。コンフェデで既に明らかになっており、そこから如何に高めていけるか、がテーマだったが、チーム力はそこまで上がらなかった。
提案したいのは3つ。1つは、国内での親善試合は極力減らすこと。この4年、日本で行われた親善試合で“本気”だったのはまだW杯予選が残っているウルグアイくらいなもので、あとはそこまで強化につながるような相手ではなかった。
日本代表のスポンサーであるキリンはこんなことを言っている。
「国内で何試合やるかといった縛りは契約の中に入っていません。その年によってJFAが決める試合数は変わってきますが、我々としては基本的に支援するスタンスでいます。マーケティングの観点やお客様からの見た目という点でいうと国内でやってもらった方が嬉しいということは確かにあるかもしれませんが、やはり我々としても海外で強豪国と対戦することが強化につながると考えていますので、すべて国内でと申し上げているつもりはありません。
仮に年間6試合やるのであれば2、3試合は海外でやってもいいんじゃないかと思っています。我々から強化の方針について何かを申し上げることはありませんが、JFAが強化の方針として打ち出したのであれば一緒にやっていきましょうというのが我々のスタンスです」(サッカー批評51 2011年5月発売)