避けるべき二元論
日本代表は1分2敗でW杯を終えた。結果を見れば惨敗ではあるが、これを受けて日本サッカー、ザックジャパンの4年間を全否定する必要はない。重要なのは課題を分析し、次の4年、あるいは未来に向けて改善策を考えていくことだ。
【課題1】固執し過ぎた「自分たちのサッカー」
ザックジャパンは戦い方が一つしかなかった。自分たちでボールを保持し、パスワークで相手を崩していく。これが選手たちの言う「自分たちのサッカー」だと思われるが、これだけではW杯で勝つことはできなかった。
日本代表には2つの過ちがあった。1つは守りのオプションがなかったこと。コートジボワール戦では1点をリードし、相手が焦って攻めてくることは容易に想像できた。2点目をとりにいくにしても、失点に注意しながら攻撃すべきだった。スペースは十分に空いていたのに、「ひたすら攻める」という選択しかなかった。
2つ目は守りのオプションがないのに意識が「後ろ向き」になったこと。相手の圧力に押され、日本はズルズルと下がってしまった。南アの時のように跳ね返す力が強いチームでないのに全体が下がってしまっては、相手がどんどん攻めてくる。敵が想定より強かった場合、どのように試合を進めるか、突き詰めなくてはならない。
ポゼッションか、カウンターか。攻撃的か、守備的か。などの二元論は避けるべきだ。ポゼッションを主体としながらも、リスクを回避しながらカウンターの機をうかがうことは必要となる。
【次ページ】コロンビア戦、攻撃は機能していたか?