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「諦めたら試合終了」を体現したアルジェリア。足がつっても体が動かなくても全力。敗戦の先に4年後を見据える

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

19歳ベンタレブに注目。4年後ロシア大会の中心に

 実際にパフォーマンススコアでもドイツの選手たちは前半こそ1ケタ台やマイナスを記録したが、後半から延長にかけては大きく改善。シュールレは66点を記録し、エジルは61点、ミュラーは35点まで上昇した。(パフォーマンススコアは30点が及第点、60点以上が活躍、80点以上が傑出した活躍)

 アルジェリアの選手たちは、延長に入ると明らかに運動量が落ち、足がつる選手も続出した。それでも、1点ビハインドの時点では同点を目指して気力を振り絞り、2点差をつけられても諦めない姿勢を持ち続けて延長後半16分にはアブデルムメヌ・ジャブが一矢を報いた。

 アルジェリアの敗因を「足が止まったから」という人はいないだろう。彼らにとって足がつることも、体が動かないことも試合を諦める理由にはならないのだ。その姿は、かの名言「諦めたら試合終了」を日本人以上に心得ているかのようだった。

 美しい敗者、讃えられるべき敗戦となったアルジェリア。初のベスト16進出を果たした今大会を終え、4年後のロシアを目指すチームは19歳のセンターハーフ、ナビル・ベンタレブが中心となっていくだろう。

 このドイツ戦では出場機会がなかったが、トッテナムでもポジションを獲得しつつあるだけに2018年にはワールドクラスとなっている可能性もある。

 さらに、この試合の先発メンバーの平均は25.9歳で、サフィル・タイデルやアイサ・マンディは22歳。今後のアルジェリアはさらに魅力的なチームとなるはずだ。

 そして、忘れてはいけないのはドイツ。やはり優勝を狙うチームというのは、ベンチワークを含めて120分を戦う力があるのだと痛感させられた勝利だった。

 カウンターが力を発揮する傾向にある今大会において、それでもポゼッションを志向するドイツが優勝カップを掲げるのか。次戦はベスト8の第1試合、日本時間7月5日午前1時キックオフのフランス戦だ。

【了】

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