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「諦めたら試合終了」を体現したアルジェリア。足がつっても体が動かなくても全力。敗戦の先に4年後を見据える

延長戦の末、ドイツに敗れたアルジェリア代表。序盤から全力で走り抜き、延長突入後には足をつりながらも諦めない姿勢で一矢を報いた。若手が揃うチームだけに4年後への期待も高まる。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ボールを支配されるも、強固な守備とカウンターで対抗

「諦めたら試合終了」を体現したアルジェリア。足がつっても体が動かなくても全力。敗戦の先に4年後を見据える
アンドレ・シュールレは延長前半2分、ミュラーのクロスに合わせて先制点を奪取【写真:Getty Images】

 弱者の兵法。決して悪い言葉ではない。相手に合わせたフォーメーションの設定、23選手をフル活用した選手の選択。強大な相手をリスペクトし、それでも打ち破るために最大限の策を練る。

 優勝候補の筆頭、ドイツを前にしたアルジェリアはロシアとのグループリーグ最終戦から5人の先発メンバーを変更して臨んだ。

 ドイツにとって、アルジェリアは旧西ドイツ時代に2戦2敗と相性の悪い相手だったが、それは過去の話。選手の質、チームの強さ、どれを見ても差は歴然でドイツの圧勝も十分有り得た一戦だった。

 スタッツを見ても、支配率はドイツの78%に対してアルジェリアは22%。枠内シュートでもドイツが16本を放ち、4本のアルジェリアを圧倒した。

 それでも、アルジェリアはインターセプト数でドイツの10回を大きく超える22回を記録。序盤から強烈な守備で相手を苦しめ、カウンターからゴールに迫るなど“番狂わせ”の可能性を匂わせていた。

 グループリーグで輝きを放ったトーマス・ミュラーは、オプタ社によるパフォーマンススコア(守備、攻撃、ポゼッションの採点)で前半は-9点と完璧に封じられた。

 さらに、この試合のマン・オブ・ザ・マッチはアルジェリアのGKライス・エンボリ。多くのピンチにもゴールを死守し、90分間で得点を許さない活躍を見せた。

 しかし、キックオフから全力で走り続けたアルジェリアにとって、延長戦の30分間は長かった。さらに、ドイツがアンドレ・シュールレという才能をベンチに残していたことも敗因となった。

 後半開始からマリオ・ゲッツェに代わって投入されたシュールレは、アルジェリアの足が止まった延長前半2分、ミュラーのクロスに合わせて先制点を奪取。さらに、同後半15分にはメスト・エジルの得点をアシストする活躍でドイツを勝利に導いた。

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