日本はフィジカルが劣っていたのか?
トッフォルッティ氏は「暑い土地でのトレーニングの後で涼しい環境に身を置くこと自体は間違いではない」という。
「例えば暑い環境、また昼の時間でのマラソンに向けて調整する場合には、だいたい10日から12日間掛けて順応を行う。日本代表がフロリダで合宿を張ったのはそういうことだろう。ただその後トレーニングの疲労を抜き、コンディションの回復に務めないといけない。その意味で、彼らが涼しいところに移ったのは正しい」
事実、日本代表は3試合の走行距離自体はC組トップの数値を出した。「日本人はフィジカル的には優れているよ。昨年のコンフェデレーションズカップを例にとっても、イタリアをあれだけ追い回すことが出来ていただろう。今回の大会の試合も見たが、勝ちきれなかったのはゴールを決められなかったことなど、競技上の理由だ」とトッフォルッティ氏は語る。
日本代表に対し『フィジカルが欠如している』という批判は良くきかれるが、本来はスピードや運動量、筋回復力も含めて身体能力、つまりフィジカルなのである。本来は曖昧に振り回すべき言葉ではないのだ。
その上でトッフォルッティ氏は「日本人選手に足りないものはパワー。(競り合いに耐えられる)重量とか筋力とか、そういうものだ」と明確に区別する。
失態の原因を直視することは必要だろう。だがそれは、いたずらな非難に明け暮れてうさを晴らすことではない。4年後には必ず勝つために、敗因の分析から問題の本質を正確に見極め、どう強化に活かすのか。イタリアに日本、そして他のグループリーグ敗退国が今後に出すであろう“回答”に注目したい。
【了】
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