パワープレー自体は当たり前。問題は準備不足
齋藤学【写真：Getty Images】
植 ギリシャ戦に関しては、意見の分かれることもありました。後半のパワープレーはどうなんだと。現地の記者に聞いたんですが、この試合の前後に記者が選手にパワープレーのことを連日のように聞いて選手が監督不振になっちゃった。非常によろしくない事態に陥っちゃったんですが、この試合でパワープレーに出たこと自体はどうなんですか？
西 パワープレーは最後の5分くらいですよね。最後の5分でパワープレーをするのは戦術的には当たり前。なんでパワープレーするなら豊田を外したんだとも言われているけど、5分間だけパワープレーするなら吉田を上げれば良い話。それ自体は問題ない。
そんなのは別にどうってことではないけど、パワープレーをするための準備をしていなかったことは明らかですよね。何人も前に送り込んでもセカンドボールが拾えていない。
パワープレーって何人前線に並べてもヘディングが出来るのは1人なんだから、それよりも前に人数を欠けてボールを拾ってもう一回と攻め続けて穴をあけるという雑な戦術なんです。セカンドボールを拾えるような位置取りをしていたかというとそうでもなかったですよね。
チェ この試合は最後に吉田をセンターフォワードの位置で使ったわけだけど、W杯には23人も呼べたはずだよね。使ってない選手いっぱいいるでしょ？
だったらなんでハーフナーを呼ばなかったのか。オランダの記者に聞いたけど、ハーフナーは今年凄く良かったね。得点もアシストも沢山決めていた。齋藤も清武も使わないなら1人くらい大型ストライカーを入れても良かった。終ってからだから言いやすいかもしれないけど、それは残念だったね。
植 そう言う状況に陥ったことがそもそもまずかったかなと思いますけど、この試合でも齋藤学は使わなかった。僕は使って欲しいとずっと思っていたんですが、西部さん、使うチャンスはあったと思いますか？
西 無くはないですね。終盤のパワープレーに移行するちょい前くらいに。相手は10人なわけですから、後ろは2人残せば十分なんで、山口に代えてサイドから仕掛けるというのはギリシャのような大きな相手に大しては有効だったかもしれないですね。
【了】
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