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“ミネイロンの悲劇”は免れたブラジル。難敵チリをPK戦で下すも、6度目Vへ最大の課題は「ネイマール依存症」

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

ネイマール沈黙の後半、支配率でもチリに軍配

 チリも決定機を作り出すにはほど遠い展開だったが、30分に自陣の深くでパスのリターンに失敗したフッキのプレーにつけ込み、アレクシス・サンチェスが同点弾を叩き込む。

 ただ、この場面でチリは持ち味でもある前線からのマンマーク気味のプレスでボールを奪回。マルセロのスローインを含めて、軽卒だったと言えるだろう。

 ブラジルペースだった前半とは一転して、後半はチリが中盤でネイマールを徹底マーク。時折フッキが単独で突破を図るものの、連携した崩しは皆無に近く、途中出場したジョーの頭をめがけたロングボールを乱用せざるを得ない展開だった。

 グループリーグ3試合で4得点の背番号10に対する「依存症」が顕著に現れた後半だったが、チリは前線に飛び出したボランチのアランギスがジュリオ・セーザルに防がれたものの決定的なシュートを放つなど大番狂わせに向けて執念を見せる。

 後半に限ってはボール支配率はチリが上回り、ネイマールも沈黙。王国らしさは皆無に近かった。

 今大会最初の延長戦では、コンディションに勝るブラジルが徐々に運動量で上回るものの、延長後半終了間際に満員のミネイロンを凍り付かせたのはチリだった。

 マラカナッソ(マラカナンの悲劇)になぞらえたミネイラッソ(ミネイロンの悲劇)を戦前から警戒していたブラジルメディアではあったが、GKブラボのロングキックに抜け出したピニージャの渾身の一撃はバーを直撃。

「あの時は歴史を作ったと思った。ミネイラッソの時が来たと思った」とチリの智将はほぞを噛んだが、ブラジルはバーに救われPK戦に。

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