レジェンド、ワンチョペの存在
コーチの立場でありながら頻繁に記者会見に登壇し、ブライアン・ルイスが「パウロの助言は選手たちにとって重要なものばかりで、いつも感心させられる。いいプレーができるのは彼のおかげだ」と厚い信頼を寄せるなど、ワンチョペはコスタリカ史上最高のストライカーだった現役時代さながらの存在感を見せている。
引退後、出身クラブのエレディアーノで指揮を執った際は好成績を残せなかったが、ワンチョペは元々、指導者としてのセカンドキャリアに強い意欲を見せていた。今回、代表チームのアシスタントコーチを務めることで、将来への布石を打っているはず。
昨年11月に行われたオーストラリアとの親善試合に敗れて指揮官への批判の声がさらに高まっている現状を考えると、今年1月に予定されているチリ、韓国との親善試合で結果が出ないようだと本大会直前の監督交代劇という手荒な“カンフル剤”の注入もあり得る。
列強との対戦以前に空中分解するという最悪の事態を避けるためにも、早急に国民からの信頼を獲得し、チームが一枚岩となる必要がある。
(原稿執筆はW杯開幕前)
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