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日本代表が見ていなかった“相手の顔”。惨敗から残った希望とザックの遺産

text by 河治良幸 photo by Getty Images

4年後を見据える酒井高徳「競争意識が僕らを高めてくれる」

 辞任を表明したザッケローニ監督、そして選手が口にした「方向性は間違っていない」という言葉には筆者も賛同する。長谷部キャプテンは「10年、20年先のことを見てやっていくのであれば、継続していくことがいい」と語ったが、4年後、8年後に開花する芽は出ている。

 ただ、サッカー界というのは他国も成長するということを忘れてはならない。中には“停滞期”や“低迷期”に入る国もあるが、結局は対戦相手との相関関係で試合の形勢は変わってくるわけで、現実世界というのは日本が主人公の夢物語ではないことをどこかで認識しておく必要はある。

 そして今回の大会で世界を感じ、色んなことを学んだ選手たちも18年には4年の歳を取る。

日本代表が見ていなかった“相手の顔”。惨敗から残った希望とザックの遺産
酒井高徳【写真:Getty Images】

 そこで選手としてのキャリアが下り坂になり代表から遠ざかる選手もいれば、バリバリと日本代表を引っ張っている選手もいるだろう。あるいはクラブでの活躍を続けても、次期監督の方針で呼ばれなくなる選手もいるかもしれない。

「上の人たちが“刺激を受けている”と言ってくれている様に、僕らも(杉森)考起とか(坂井)大将が上がってきた時に刺激を受けたいし、そうした競争意識が僕らを高めてくれると思う。

 上の人たちを代表で見て学んだこと、感じたことがあったので、そこは変えずに行きたいし、経験したものを与えていきたい。そして若い選手たちのポテンシャルを自分も見習いたい」

 前回大会をサポートメンバーとして参加し、今回は残念ながら出番の無かった酒井高徳は4年後を見据えてこう語った。今回はトレーニングパートナーとして参加した高校生の杉森と坂井が当初の予定を大幅に延長し、ブラジルでA代表の緊張感と世界の戦いを体感した。

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