危うかったサコの肘打ち
むしろ反省点を挙げるなら、何度かあったクリーンなチャンスで決めきれなかったことだろう。
警戒すべきは相手にカウンターのチャンスを与えてしまうことで、ガツガツ攻める必要はなかった。また、相手GKドミンゲスがMVP級のセービングを連発したのも事実。それでも、グリーズマンからのクロスを受けたシソコのシュート(73分)、ジルーとワンツーからのベンゼマの至近距離からの一打(84分)といったいくつかの場面は、今後さらに上を目指すのであれば、着実に決めておきたかったところだ。
もう一つ、この対戦について話題の焦点となっているのは、序盤7分のフランスのCKの場面で、DFサコが相手MFミンダに肘鉄を喰らわせたという一件。審判はこれをスルーしたが、試合後、エクアドルのルエダ監督も「サコの肘うちについては、もう少し慎重に観察されるべきだった」と話している。
もしここで退場になっていれば戦局は違っていたかもしれず、後半、自陣のキャプテン、アントニオ・バレンシアがディーニュの足を踏みつけて一発退場になっているだけに、恨み節もごもっともという感じではあった。
この件についてサコ本人は「飛び上がった瞬間に、肘を入れてきたのはミンダの方で、眉山に当たって切れそうだった。自分は危ないと思って避けただけ。審判がそれを危険行為とみなしたなら素直に従っていた」と弁明している。
61分に腿痛をうったえてピッチを去ったが、デシャン監督が絶対の信頼を寄せる彼の回復具合は、月曜のナイジェリア戦までの懸念事項のひとつだ。
グループリーグ突破は大きなステップだが、準々決勝進出はさらにチームを成長させる上で、一山越えたところにある。
この山を新生レ・ブルーが越えられるかどうか。国民の関心も、日増しに高まっている。
【了】
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