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好調のフランス。メディアは過熱、選手は冷静、ファンの意見は割れる。ベスト16での勝利、約半分は悲観的

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

ナイジェリア戦に向け、ファンの半分は悲観的

 それでも、パリジャン紙のアンケートで「レ・ブルーは準々決勝に勝ち抜けられるか?」、つまり“次戦でナイジェリアを破ることができるか”に『oui』と答えた人は、半数の50.7%だった。

『non』と答えた49.3%は、本当に無理だと思っている人、若いチームに過剰な期待を寄せたくない人など様々で、ネット上の書き込みを見ても、反応は交錯している。「冷静に見守るべき」という声もあれば、「所詮ダメだったか…」という諦めモードもあるが、「早急に烙印を押すことなく、とにかく応援しよう!」といった前向きな声も少なくない。

 エクアドル戦に関していえば、スイス戦と6人を入れ替えたデシャン監督の意図は理解できる。累積で出場停止のキャバイエだけでなく、働き詰めのバルブエナや、負傷明けのバランを休ませることも、先を見越せば必要な処置だ。

 その1.5軍で目標のグループ1位通過を達成できたのだから、「すべてうまくいっている」とデシャン監督が満足げなのも虚勢を張っているわけではないだろう。

 このローテーションを受けて、『あらためて鉄板イレブンの威力が浮き彫りになった』、という報道も目についたが、たとえば経験豊富なキャバイエと、この試合がA代表初先発だったシュナイデルランを比較するのは少々酷だ。

 サウサンプトンでは吉田のチームメイトであるから、日本のファンにはむしろ馴染みがあるが、若くしてイングランドに渡っているため、フランスではまったくの無名。このW杯メンバー選考で初めてA代表に選出されて、本人同様ファンたちもビックリした(その、ホヤホヤの新入りがW杯、しかも伝説のマラカナスタジアムで初先発というのは、フットボール選手多しといえどもなかなかできない経験だ)。

 代表歴の圧倒的な差に加えて、前者はより「つなぎ役」、後者は本来攻撃的MFと、プレースタイルも違う。

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