実力を見極めたエクアドル戦
『ブレーキはかかったが、首位確保』というレキップの見出しが、グループリーグ最終戦、対エクアドル戦のフランスメディアの反応を象徴している。
初戦のホンジュラスが3-0、続くスイス戦は5-2と、胸のすくようなオフェンスを披露してきたフランス代表が0-0、とノースコアのドローで終わったのだから、「期待はずれ」感が漂うのも無理はない。
しかしこの見出しにもあるように、グループ首位の座を確保するという、一大使命は達成されたわけで、各紙とも『使命は達成』『目的は果たした』と、冷静にその点にフォーカスしようという論調だ。
ただ、前回書いたように「今度こそトンネルから抜けたか!?」と期待しているサポーターにとっては、このエクアドル戦は前の2試合がただのマグレではなかったことを“確認”するための「見極め試合」でもあった。
よって、ここで国民の熱が一気に冷めることを懸念したのか、レキップ紙は、メンバーをローテーションさせて控え選手にも出場時間を与えたことに意味があったこと、しゃにむに得点を獲りにいくことが求められるゲームではなかったことなどを理由に挙げて『この結果にはなんら不安はない』と火消しにまわり、パリジャン紙も、『アドベンチャーは始まったばかり』と擁護している。
選手たち自身も、「2、3点獲っていれば満足してもらえたのかもしれないが、早い時間に得点を獲るべき試合もあればそうでない試合もある」(サコ)、「なにも心配はない」(ジルー)と、このドローを「緩急」と見ている。
とくに、前2試合の試合ぶりから、地元ブラジルメディアではフランス代表を盛り立てる報道が過熱している様子で「熱冷ましにちょうどいい」という声も挙がるなど、チーム内にも動揺はない。