「パワープレーなどの強靭さも求める必要がある」

　有力紙のThe Sydney Morning Heraldの電子版には「コロンビアが、日本を帰国に追いやる」との見出しのAFP配信の記事が掲載された。この記事は、全般的に淡々と試合を振り返る中で「試合の序盤、日本は一旦落ち着くと、この日先発に復帰した香川真司、先制点を演出した本田圭佑を中心にして、試合を通じてポゼッションで優位に立った」と日本に触れる。

　さらに、「ギリシャ戦の不甲斐ない戦いぶりを批難された日本だが、この日はより攻撃的な姿勢を見せた。相手GKの攻守に阻まれた香川、フリーキックでゴールに迫った本田圭佑などの懸命な彼らの努力は、前半のロスタイムに決まった岡崎のダイビング・ヘッドで一旦は報いられた」と、特に前半のパフォーマンスを評価した。

　今日の日本戦に関する一連の報道で最も考えさせられたのが、SBSの実況中継のコメンテーターが発した「Zaccheroni needs to ask players for a show of steel as well as style」という言葉。

　このフレーズは、日本が2点目を許して何としても得点が欲しいという状況下で、ボールを繋いで何度かゴールに迫るも、どうしても最後で跳ね返される日本の攻撃に少し苛立ちを含ませたように発せられたもの。

　意訳すれば、「ザッケローニ監督は、選手にパスを繋いで崩すスタイルもそうだが、パワープレーなどの強靭さも求める必要がある」とのメッセージになる。

　推測だが、先の2戦での突然のパワープレーで非難を浴びたザッケローニ監督が、この試合ではその作戦を封印したという経緯や、ベンチにパワープレー要員になり得る戦力が控えていない事情などを知っての発言ではないと思われる。