「精神的改革、目標の改革、物差しの改革が必要になるんじゃないか」
コロンビアに埋めがたい差を突きつけられたショックは大きかったが、試合直後は「やはりこういうサッカーで勝たないと見る人も魅了されない。勝ってないんで『何言ってんねん』って話になるでしょうけど、僕はこのスタンスで行くことが、個々の選手の成長にもつながるというふうに思っています」と自分たちが進んでいた方向に間違いがないと自信を見せていた。
しかし惨敗から一夜明け、ベースキャンプ地のイトゥに戻った本田の話のトーンは微妙に変化していたようだ。
「ゆうべはいろんなことを考えましたけど、一番辛かったのは4年間正しいと思ってやってきた、貫いてきたことが結果として否定せざるを得なくなったこと。
全て自分たちの納得いく試合ができなくて負けた以上、また一から自分自身が物差しづくりというのをしないといけない。それだけ追い込まれているってことなのかもしれないし。
今まで一度だけ、ちょっと状況は違うんですけど、似たようなことがオランダ時代にあったんですけど、それ以上の精神的改革、目標の改革、物差しの改革が必要になるんじゃないかと考えながら過ごしていました。
その中身というのは時間が必要だと思うし、いろんなことを考えながら整理をつけていきたいなと思っています」と本田は大きな軌道修正の必要性を改めて口にした。
彼がそういった危機感を抱いているのも、大会直前までこのチームで結果を出せるという確信があったから。直前のアプローチも意思統一も、チーム全体の結束力も何も問題がないように見えた。本田自身も手ごたえを感じていたという。
「ホントに結果論ですけど、自分はブレてなかったし、迷いもなかった。振り返ると、いい感じだというふうに思っていたわけですよ。
もし僕らにブレがあったという事実を突きつけられるとしたら、やはりそういうところが敗因なのかなと思わざるを得ない。それを見抜けなかった自分自身にも責任がある。そこは難しかったと思いますね」