「ペナルティエリアの中で崩せていない。そこまで来てサイドに行ってしまう」
ザッケローニ監督や選手たちが主張してきた“自分たちのサッカー”というものに関しては、この3試合で最も発揮できた試合だったのは確かだろう。
中盤でパスをつなぎながら、前線が機動的にアタックして行くスタイルは20本を超えるシュート数につながった。しかし、終わってみれば1-4という大差の敗戦。これをシンプルに決定力の差とする見方もあるだろう。しかし、それに異を唱える選手がいた。
「ビッグチャンスはコロンビアの方があって、けっこう外していますよ。4点も取っているからあれだけど」
サイドで起点を作りながら、最後は中で崩していくのが日本の目指す攻撃だったはずだが、この大会では起点がサイドでも中でも、結局はサイドからのクロスが頼みになってしまっている。
それはコロンビア戦も変わらなかったのだ。この試合における日本の唯一の得点はクロスから岡崎が得意のダイビングヘッドで決めた形ではあったが、多くは跳ね返されてしまった。
そうした中で記録したシュートの大半はペナルティエリアの外から打ったもの。もちろん、ミドルシュートは大事だが、仕掛けていかなければいけない状況、相手のブロックがある状況で、可能性の低いシュートを選択してしまった場面も多い。
「ペナルティエリアの中で崩せていない。そこまで来てサイドに行ってしまうから。相手がでかいのに、そんなので勝てる訳ない。そこからワンツーがあってもいいのかなとすごく感じました」
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