「世界は近いけど広いなって感覚があります」
「結局、自分たちは勝ち点1しか取れなかったし、逆にギリシャは最後まで粘って(上へ)行った。こういう大きい大会で自分たちのサッカーが出来ればいいけど、相手のレベルも高いし、させてくれない。
自分たちのサッカーをやれれば勝てますけど、できないから。まあ自力じゃないですか、これが」と内田は悔しい気持ちを押し殺しながら、静かに敗戦と惨敗した今大会を分析していた。
大会直前まで右サイドバックのレギュラーに君臨しながらピッチに立てなかった4年前の南アフリカ大会の後、彼はシャルケで世界トップクラスの選手と互角に対峙してきた。
UEFAチャンピオンズリーグ・ベスト4のピッチに立ったことがあるのは彼だけ。その高度な経験値を日本代表に生かせるはずだった。実際、彼自身は他の試合と同じように普段通りの仕事ぶりを見せていた。が、チームの勝利は手に入らなかった。
「W杯はどんなものだろうと思ったけど、普通にサッカーの試合でしたし、特に変わらなかった。僕も『いつも通り』って何回も言いましたけど、本当に普段通りにやれたと思います。でもこういう世界は結果が全て。負けてここ(ミックスゾーン)を通っても何の説得力もないし、カッコ悪いですからね。
日本は進歩しているとは思いますし、いろんな選手が海外へ行ってやれているのもそうだと思いますけど、なんか世界は近いけど広いなって感覚があります。
それはこの大会で思ったことじゃなくて、ドイツに行ってすぐに感じたけど、やっぱ広いですよ」と日本代表として戦う世界の遠さに、彼は改めて打ちのめされたようだ。
【次ページ】「結局、選手の根本は自分のチーム」