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大会前から蔓延した満足感。日本代表、必然の苦戦。コロンビア戦で求められる「気持ち」でなく「心」の入れ替え

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

岡田ジャパンでは成長しない? “相手の長所を潰すサッカー”は悪か

大会前から蔓延した満足感。日本代表、必然の苦戦。コロンビア戦で求められる「気持ち」でなく「心」の入れ替え
岡田武史監督【写真:Getty Images】

 対戦相手に合わせず、ポゼッションという一貫した哲学で戦い続けるチームなど世界のトップ・オブ・トップの一部のみだ。そして、そのポッゼッションの“頂点”スペインも今大会は完璧な対策を練ってきたオランダ、チリに完敗を喫して早々に大会を去った。

 オランダという強豪でさえも伝統的な3トップの哲学を捨て、欧州予選終了後から5バック・2トップというシステムを導入して本大会に備えたのだ。

 W杯という世界最高峰の舞台で挑戦者としての立場で結果を残すためには、徹底的に相手を研究し組み合わせが決まった時点で様々なシミュレーションを行い、相手の長所を潰すことが必須ということだ。

 それどころか、日本はその“相手の長所を潰すサッカー”を実行して過去最高の結果を残した2010年南アフリカW杯のチームについて「あのサッカーで勝っても嬉しくない。成長はない」とコメントする選手もいた。

 守備的とは言え、カメルーンを1-0で下し、オランダに0-1と善戦し、デンマーク戦では3-1と快勝して日本中を熱狂の渦に巻き込んだチームに対してだ。

 あの大会があったからこそ、長友佑都はセリエAへの扉を開き、本田圭佑は市場価値を上げたのではないだろうか(それによってCSKAモスクワから移籍しにくくなったのは皮肉だが)。

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