「チームの雰囲気だとか、試合への入り方とか全く違う」
「ドイツの時も国内でかなりフィジカルを上げていく感じだったんで、似てるっちゃ似てる。練習でいい雰囲気といい緊張感を出しながらやっていかないといけない」
アメリカ・フロリダ州での事前合宿中だった6月4日。ザックジャパン唯一のW杯3大会出場となるベテラン・遠藤保仁がチームに警鐘を鳴らしていた。
彼自身も惨敗した2006年ドイツ大会の二の舞にならないために歯止めをかける役割を担おうとしていたが、結局、2014年ブラジルW杯の戦いぶりは奇しくも8年前と全く同じ展開になっている。
ドイツの時は初戦・オーストラリア戦で中村俊輔の先制点が前半のうちに入ったにかかわらず、終盤に3点を食らって逆転負け。第2戦はクロアチアとの激突だったが、両者ともに暑さの影響から動きが悪く、決め手を欠いた。
そして今回も、初戦・コートジボワール戦で本田圭佑の先制弾が飛び出しながら、後半のわずか2分間で逆転されてしまう。第2戦・ギリシャ戦は引いた相手に決め手を欠き、0-0のスコアレスドロー。勝ち点1という他力本願で、最終戦・コロンビア戦に一縷の望みを懸けなければならなくなったのだ。
「大会直前のフィジカルトレーニングがきつくて、いい結果を出していてっていうのが(ドイツと)似ていただけで、チームの雰囲気だとか、試合への入り方とか全く違う。1戦目負けて、2戦目引き分けてっていうのは一緒っちゃ一緒ですけど、それは自分たちが招いた結果。ドイツの大会と比べるつもりは僕の中ではないです。ただ、チームで知っているのは僕だけだっていうことです。
2006年は最後(のブラジル戦を迎えるに当たり)、(2位のオーストラリアとの得失点が)3点差でしたけど、勝てば上に行ける可能性があるということで、あの時も誰も諦めていなかった」