「ゲーゲンプレッシング」を代表で実現できた理由
一人ひとりのプレー時間を短縮するには、適切なパスコースが必要だ。そこでレーブは「パスを出したあとにプレーを止めず、すぐに前へ走り、再びボールを要求しろ」と要求。いわゆる「パス&ゴー」である。
守備面では陣形をコンパクトに保ち、速い切り替えを求めている。特にここ2年間は、ボールを失ったあとにすぐさま高い位置からボールを奪うことにチャレンジしている。
「ゲーゲンプレッシング」と呼ばれる切り替え時の電撃的プレスだ。ボール付近の選手が反射的にアプローチすると同時に、他の選手がパスコースを切らなければならない。
「ユーロ2012の準決勝のイタリア戦で、私たちは相手陣内でプレッシャーをかけられず、ロングボールでやられてしまった。攻撃的なサッカーをするためには、もっと 積極的にボールを奪いに行くことが必要だ」
クラブチームですらも習得するのが難しい戦術だが、レーブが10年間に渡って継続してチーム作りを進めているため取り組むことができる。
こういう小さな積み重ねの結果、ドイツはスペインとともに最もモダンな代表チームのひとつと言われるようになったのだ。
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