ドイツが目指すW杯南米開催初の優勝
W杯の歴史において、ヨーロッパ勢が南米で行われた大会で優勝したことは1度もない。ブックメイカー大手『bwin』のW杯ブラジル大会優勝オッズを見ても、ブラジル4倍、アルゼンチン5.50倍、ドイツ6.50倍、スペイン7.50倍と、南米勢の評価が上回っている。
しかし、それでもヨアヒム・レーブ監督率いるドイツ代表は、前人未到の「ヨーロッパ勢の優勝」に本気で挑もうとしている。
レーブ監督はこう宣言する。
「W杯のようなハイレベルな大会において、優勝を約束することはできない。だが、ひとりの監督として、タイトルを心から欲している。その力がドイツにはある。ドイツが優勝を目指すのは義務と言っていい」
この発言には、確固たる裏付けがある。ドイツは2006年W杯で3位、ユーロ2008で準優勝、2010年W杯で3位、ユーロ2012でベスト4に進出し、この8年間ビッグトーナメントで常に結果を残してきた。監督も選手も、もはや優勝以外の結果では満足できない。
今、ドイツサッカーは上昇気流に乗っている。ブンデスリーガは世界最高の観客動員数をキープし、それに後押しされるようにプレーの質も高まり、UEFAランキングではセリエAを抜いて3位になった。
さらに昨季のチャンピオンズリーグでは、バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・ドルトムントというドイツ勢同士の対戦が大会史上初めて実現。もはやプレミアリーグやスペインリーグにコンプレックスを抱く必要はない。
なぜドイツは復活できたのか? その背景には、2つの改革がある。