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「破滅の運命」「この世の終わり」。母国イングランド敗退に現地は絶望。若手起用が唯一の希望

text by 山中忍 photo by Getty Images

いい意味で期待を裏切ったホジソン監督

「破滅の運命」「この世の終わり」。母国イングランド敗退に現地は絶望。若手起用が唯一の希望
守備に関しても「2試合で4失点」と言われれば、修正できなかった監督に責任があるように聞こえる【写真:Getty Images】

 守備に関しても「2試合で4失点」と言われれば、修正できなかった監督に責任があるように聞こえる。だが、枠内へのシュートを6本に抑えていながらの4失点は、ここ一番で個人が能力の限界を露呈したように思える。

 スアレスの2得点は、フィル・ジャギエルカとガリー・ケイヒルの両CBに落ち度があった。但し、最終ラインの人材不足はジョン・テリーが代表引退を決めた予選序盤戦以来の現実だ。 

 つまり、ブラジルでのイングランドは、今更「この世の終わり」のように騒ぐには及ばない。唯一の予想外は、「保守的」なはずの監督が良い意味で期待を裏切ったこと。

 ホジソンは、若手主体の攻撃的なメンバーでW杯に臨み、初戦では試合内容もメディアで評価された。2試合連続で先発したダニエル・スタリッジ、スターリング、ダニー・ウェルベックの攻撃陣と中盤のジョーダン・ヘンダーソン、加えて、サブのロス・バークリーとアダム・ララナの両テクニシャンも貴重な経験を得た。「準ワールドクラス」のルーニーと守護神のジョー・ハートは、共に20代後半で代表キャリアが続く。

「サッカーの母国」を自負するイングランド人にすれば、いざ1958年以来のグループステージ敗退が現実となってみると、堪え難い屈辱なのだろう。だが、その母国は2018年W杯以降を目処に「復興」の道を歩み始めて間もない。

 予選を含むホジソン体制は今大会が初。早々にW杯フィーバーとアルコール増量の酔いから覚めた国民は、代表の「終わり」ではなく「始まり」との認識を新たにしなければならない。

【了】

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