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ドローに持ち込むもガーナの知略に苦しんだドイツ。浮き彫りになった優勝候補の構造的欠陥

打ち合いになったドイツ対ガーナは2-2の引き分けに終わった。ドローには持ち込んだが、ドイツが苦しんだのは事実。何が原因だったのか? 知性に富んだガーナの戦略が優勝候補の欠陥を浮き彫りにした。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドイツの速攻とパス・スタイルを奪うことに成功したガーナ

 ドイツ代表はガーナ代表の知略に苦しむこととなった。

 2014年6月21日、ドイツ代表はフォルタレーザの地でガーナ代表とグループGの第2戦を迎える。

 スターティング・メンバーは、GKノイアー、右SBボアテング、CBはメルテザッカーとフンメルス、左SBヘーヴェデス、ケディラ、ラーム、クロースのトリプルボランチに、左にゲッツェと右にエジルの両翼、そしてワントップにミュラーだ。

 ポルトガル代表を粉砕した第1戦と全く変わらない先発陣で、アメリカ代表との初戦を1-2のスコアで落としたガーナ代表と戦う。

 ドイツ代表はガーナ代表の積極的なプレッシングとコンパクトな陣形に苦しんだ。ガーナ代表はまずワントップのジャンとトップ下のプリンス・ボアテングが2トップを組むような形で、ドイツ代表の両CB、メルテザッカーとフンメルスにプレスを仕掛けていく。

 続いてビルドアップを担うラーム、ケディラ、クロースに対して、またプリンス・ボアテングを中心としながら、両サイドハーフのアツとアィエウ、ダブルボランチのムンタリとラビウが果敢なプレスを構築した。ガーナ代表は全体をコンパクトに保つ。ドイツ代表に十分なスペースを与えず、ポルトガルを沈めた速攻とパス・スタイルを奪うことにほぼ成功する。

 そしてガーナ代表のプレッシングは同時にドイツ代表の弱点を浮き彫りにすることとなった。これまでSBとしてのプレー経験が全くない訳ではないが、CBが本職のヘーヴェデスとボアテングは、中盤でのビルドアップへの参加、タイミングを見計らったオーバーラップなど、SBとして効果的な攻撃をチームにもたらすことができない。

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