「テクニックで優る点を、どのセクションに置いてもまったく活かせていなかった」
よって、もっと良い試合をしてくれるだろうという期待があった。攻める日本対守りのギリシャという構図が実戦においてどう発展するのかを見所としてプレビューしていたメディアもあったのだ。
だからこそ、『10人になったギリシャがチャンスを作り、“サムライ・ブルー”にまったく決め手がなかったのは、なんとも矛盾』と嘆いたパリジャン紙のように、もとより守備的なギリシャはともかく、日本に攻撃面で見せ場がなかったことに一層落胆した。
ネットのコメント欄にも、『ギリシャはいつもどおりという感じだが、日本はもっと良いゲームをしてくれるはずと思っていたのにガッカリだ』というトーンの書き込みが少なからずあった。
『68分、香川に投入により、初めてギリシャの守備ブロックを崩すことに成功したジャパンは、内田がファーポスト前に向けて絶妙のクロス。しかしこのいとも簡単なシュートを大久保が外す始末……』と好機を逃した大久保へのメディア評も厳しい。
ユーロスポーツのウェブサイトに寄稿したジェフリー・スタインス記者は『74%ものボールポゼッションを、なぜ日本は活かすことができなかったのか。ビルドアップはスムースに運ばず、テンポに緩急をつけることもなく、テクニックで優る点を、どのセクションに置いてもまったく活かせていなかった』と書いている。
最後の『高度なテクニックを有するという利点を生かせていない』というのは、前回のコートジボワール戦でも、テレビ解説者に指摘されていた点だ。つまりは、日本代表は、持てる力を、本番で発揮する力に欠けているということ。