改めて問う「自分たちのサッカー」とは?
大会中多く聞かれた「自分たちのサッカー」という言葉。果たして「自分たちのサッカー」とは何なのか。未だ見えない。だが、それが何かを検証するのは大会後でもいいのではないか。今重要なのは、目の前の試合を“いかに勝つか”だ。
あれだけエリア内に人が密集していたのだ。中にもっと仕掛ければDFが腕を掴む、足を引っ掛ける、など主審に笛を吹かせる機会ができたかもしれない。拮抗した場面を勝ち抜くための“いやらしさ”がまだまだ足りない。
ザックジャパンは相手が嫌がることをできていただろうか。ギリシャの得意分野でばかり勝負していては、得点を奪うのは難しい。敵の弱点を突く――攻撃の本質を見失っては、本当の意味で攻撃していたとは言えない。どれだけ押し込もうと無意味だ。
前半で退いたキャプテンの長谷部誠は、エースFWのミトログルをベンチに追いやり、カツラニスのファウルを誘った(意図的かは不明だが)。賛否は分かれるだろうが、長谷部は勝利のために重要な仕事をした。
ギリシャから失点する可能性はずっと少なくなった。フェアではないかもしれない。だが、実力で上回る相手に勝つためにはそういった狡猾さも時には必要だ。次なる敵はコロンビア。自分たちのサッカーを発揮できたとして勝てる相手ではないのだ。
【了】
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