敗因にあげられる4つの問題点
オランダ、チリ、両者を相手に全くフィジカル面で勝てなかったことも要因としてあげられているが、それだけではないだろう。フィジカルが不足していたのは、明らかだったが、それを差し引いても戦術的にも劣っていたという指摘がある。
オランダ、チリともスペイン代表を研究し、サイドバックを潰し、中盤のパスを消すための方策を練ってきたが、一方のスペインはどうだっただろうか。主なものでも4つの問題点がある
【その1】ジエゴ・コスタのスタメンに固執し、イニエスタ+サイドアタッカーの攻撃スタイルを最後まで変えず、アロンソとブスケッツの2ボランチ+4バックにも新しさはなかった。第一戦と第二戦でのポジショニングの違いは、チャビがベンチに送られ、イニエスタがサイド寄りからセンター寄りになったという点のみだ。
【その2】チャビ、アルバの不調もほとんど考慮されず、ビジャ、マタ、セスクなどは結局、全く起用せず、ベンチを温めるのみで終わった。デル・ボスケが、やはり体調が万全でないジエゴ・コスタのスタメン起用に執着したことなども合わせて、本当に万策尽きて倒れたのか、疑問が残る。
【その3】チャンピオンズリーグの決勝を戦ったレアル、アトレティコの選手が多く代表に参戦していること、特にレアルの選手は、決勝後に1週間の休暇を享受しているが、それを許す代わりに代表モードに持っていき、きちんとフィジカルを備える準備をするべきだったのではないかという指摘。
【その4】アルバ以外に左サイドバックを招集しなかったため、大会開始の1ヶ月前まで負傷していたアルバが、左足に違和感を抱えながら、強行出場を余儀なくされたこと、ひいてはサイドアタックの攻撃の質が落ちたことなど、数多くの問題点が今更のようにあげられている。
昨年、コンフェデレーション杯の決勝で完敗したスペインは、その時に最後の警告を受けたはずだが、結局、そこで軌道修正できずにW杯で散ることになった。既に予兆はあったのだ。
デル・ボスケ監督が認めなくても、スペインメディアは既に引導を言い渡している。ルイス・アラゴネスによって生まれた栄光のスペイン代表は、デル・ボスケと共に一つの終焉を迎えたのだと。
【了】
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