ピケ、チャビを起用しない荒治療も効果なく
ユーロを二回連続制覇し、W杯でも優勝を果たしてスペイン代表史上、最も多くの栄誉を手にしてきたこのスペイン代表の中心となっていたイケル・カシージャスやチャビ・エルナンデスなど、今回が代表選手として最後のW杯参戦になるだろうと見られていたが、まさに中心となってきたこの二人が不発だったことも含め、スペインメディアは、デル・ボスケ代表監督が認めたがらない「サイクルの終焉」をキーワードとして報じている。
優勝を果たした南アフリカW杯では、全大会を通しての総失点数が5だったスペイン代表だが、今回は最初の1試合目、オランダを相手にまさかの5失点という失態を演じた。第二戦でその責任をとらされたのは、カシージャスではなく、センターバックのジェラール・ピケとチャビ・エルナンデスだった。
二人はベンチに送られたが、今、全てが終わった後に振り返っても、デル・ボスケが二人に責任を転嫁したことが功を奏して結果が出たわけではなかった。試合を決定的なものにしたアランギスの2点目は、アレクシス・サンチェスのシュートをどうにかクリアしたカシージャスのクリアボールをアランギスが押し込む形で決まった。
その瞬間を、ピケの代わりにセンターバックに入ったハビ・マルティネス、セルヒオ・ラモスとも、スタンドの観客同様に身動きできずに見守るその姿は、ある意味、象徴的だった。
今回、スペイン代表が敗退に至った原因がどこにあるのか。敗退直後から、国内メディアは一斉に議論を始めた。
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